論文の翻訳には自動翻訳が便利!活用できる翻訳ツールと特徴をご紹介!

さまざまな局面において急速な革新が進む中、技術の世界でも目覚ましい進歩が見られます。 エンジニアだけではなく、新規技術に興味があったり、ビジネスに活用したかったりするのであれば、論文は知識の宝庫。

しかしながら、 次々と発表される新しい論文はほとんどが英語で書かれています。 英語に堪能であっても、限られた時間で論文を翻訳して読むのは至難の業。 自力では時間が足りなかったり、深く理解できなかったりするケースもあるのではないでしょうか。

そこで、論文の翻訳を容易にしてくれるのが「自動翻訳」です。 翻訳ツールを活用することで、格段に効率的に読めるようになります。 今回は論文を翻訳する際に便利なツールと、それぞれの特徴をご紹介いたします。

PDFを翻訳できる?自動翻訳ツールの精度や特徴は?

論文はPDFで公開されていることが多いため、自動翻訳ツールにはPDF翻訳ができる機能があると便利です。各種ツールの精度・特徴を見ていきましょう。

1.Google翻訳
通常の翻訳機能に加えて、PDF翻訳にも対応。 「ニューラルネットワーク」というAI翻訳システムを導入したことで、翻訳精度が上がりました。PDF翻訳の操作は簡単で、ドキュメントを選択し、PDFをアップロードするだけです。

デメリットは、翻訳がHTML形式で訳文テキストのみが表示されること。 画像や表データは消えてしまい、もともとの文書レイアウトを保てません。

また、改行が含まれていると文章が意味不明な訳文になってしまうのも難点。論文の翻訳結果を保存したり、仕事に利用したりするのは難しいかもしれません。

2.DeepL翻訳
ディープラーニングを活用した機械翻訳サービス。無料版「DeepL」と3つのプランから選べる「DeepL Pro」があり、自然な日本語に翻訳できると評判を集めています。

現時点でPDF翻訳は、無料版・有料版ともに未対応。 PDFをそのまま翻訳できず、「DeepL」ではPDF上の文章を何度もコピペしてテキスト翻訳しなければなりません。そのままコピペすると意味不明な訳や訳抜けが見られます。文章ごとに毎度「改行」を行わなければ、上手く翻訳するのは難しいでしょう。 Google Chromeの拡張機能を使って選択範囲のみを改行せずにテキスト翻訳することもできますが、全文を読むには非常に手間がかかります。

アブストラクトを翻訳して概要を把握するには便利ですが、複数の画像や図表で構成された論文を読む場合や、社内共有には向いていないでしょう。

3.T-4OO
専門領域で優れた翻訳を実現するAI翻訳「T-4OO」。 論文に適した翻訳エンジンを選択することで、プロ翻訳者に匹敵する品質レベルの翻訳が可能です。 専門分野は法務・医薬・金融・化学・IT・機械・電気電子など2,000もの領域をカバーする、有料の翻訳ツールです。

PDFファイルやWord・Excel・PPTなどの翻訳にも対応。 元のファイルレイアウトのままの翻訳結果を、Word出力をして保存できるのがポイントです。

レイアウト調整の手間がかからず、業務資料として有効利用できます。

4.The Reading
スタートしやすい低価格が魅力のAI翻訳「The Reading」。「T-4OO」から利用頻度の高い機能を絞り込んだ、新しい翻訳ツールです。 複雑な長文で書かれた論文も、20の専門分野に特化した翻訳エンジンを選択することで、精度高く翻訳。 「読みニーズ」メインで翻訳ツールを使うのであれば、十分といえるでしょう。

Word・Excel・PPT のファイル翻訳に加え、2020年11月12日より、新たにPDF翻訳が可能となりました。 T-4OOと同じくドラッグ&ドロップするだけで、レイアウトを崩さず翻訳できるので、論文のリーディング効率が格段に上がります。

 

論文から情報をキャッチアップ!ますます高まるPDF翻訳の活用シーン

最新の情報には関心があるものの、英語が苦手で論文を敬遠していた人にとっては、PDFを翻訳できる自動翻訳をぜひとも活用してほしいところ。ここでは、職業別の活用シーンをご紹介しましょう。

【最新技術をキャッチアップしたい「エンジニア」】
技術が移り変わるスピードが目まぐるしい業界では、最新の技術習得がカギ。情報をキャッチアップするため、エンジニアは海外で発表される論文にも目を通し、理解を深める必要があります。

しかしながら、英語に苦手意識を持つ人は論文を読むのに時間がかかりすぎてしまって、非効率に感じるのではないでしょうか。 PDFを翻訳できる自動翻訳を使えば、自力で論文の翻訳に費やしていた時間を短縮することできます。 タイムラグを極力減らしつつ、最新情報をリアルタイムで把握できるでしょう。

【優良な論文のリーディングが不可欠!「研究開発職」】
今や研究開発職にとっても、英語の論文調査や、特許マップ作成のために特許調査が欠かせません。専門性が高いうえに精査もしなければならず、かなりの時間を費やすことになります。

自動翻訳を使いこなすことができれば、論文や特許文書から最新情報を入手することが簡単に。 PDF翻訳で次々と優良な最新情報に触れることで、新規技術開発の可能性が広がりそうです。

【論文内容をビジネスに展開したい!「ビジネスパーソン」】
新たなビジネスを模索中のビジネスパーソンにとっても、論文には学びや気づきがたくさんあります。 論文はビジネス書の参考文献として利用されることが多く、いち早く英語圏の情報をキャッチアップできれば高いアドバンテージになるでしょう。

また、マーケティングやリサーチをするうえでも、論文の内容が役立つことが多々あります。画像などのレイアウトを保てるPDF翻訳の機能があれば、ストレスなく読むことができ、競合他社に先駆けてビジネスに生かせそうです。

論文から知見を広げる!PDF翻訳機能があれば、リーディングが一気に効率化

上記で紹介した「T-4OO」「The Reading」は有料の自動翻訳ですが、無料の翻訳ツールとは一線を画す精度の高さに加え、PDF翻訳ができるのが特徴です。 現在、さまざまな業種・職種で活躍しています。

自動翻訳によりPDFの論文を短時間で翻訳できれば、リーディングが一気に効率化し、言語の壁に戸惑うことは無くなるでしょう。 日々の作業効率アップや新しいビジネスの発見にもつながります。

筆者:早川日向子(ハヤカワ ヒナコ)/ライター
関西大学文学部卒業後、総合求人広告代理店で編集ライターとして活動したのち、アメリカ·オハイオ州へ移住。日経媒体にて、ライフスタイル、文化などに関する記事を執筆中。ネイティブスピーカーとの交流のなかで、アメリカ文化の理解を日々深めている。